「アマンダの料理はどれもすっごく美味しいんです」と話してくれたのは、途中から同席してくれた高橋和香菜さん。シェアハウスに住むアマンダさんの友人だ。「シェアハウスのみんなで料理をつくったりもするんですが、アマンダはマレーシアのいろいろな料理を教えてくれるんです」と言う。
キッチハイクは料理を登録する仕組み。たくさんあるレパートリーの中でナシレマッを登録したのはなぜなのだろうか。
「マレーシアの料理ってインドネシアやシンガポールに比べると、日本ではあまり知られていないと思うんです。だから一番マレーシアらしい料理をつくることにしました。そのとき、母国の味、懐かしいと思う料理は何かと考えたらナシレマッが浮かんだんです。マレーシアではいつでもどこでも食べられるけれど、日本ではマレーシアレストランに行くか、自分でつくらないと食べられませんから」
ナシレマッが日本でどれくらい受け入れられるかを知りたいと話すアマンダさん。サンバルもカレーも辛いのに、どこかやさしさを感じるのは彼女の思いが込められているからだろうか。きれいに平らげた皿に目をやり、自然と言葉が出た。「私もお代わりしていいですか」

KitchHike(キッチハイク)
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中川明紀(なかがわ あき)
講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。何事も経験がモットーで暇さえあれば国内外を歩いて回る。思い出の味はスリランカで現地の友人と出かけたピクニックのお弁当とおばあちゃんのお雑煮