第36回  まるでおにぎり?マレーシアの定番朝ごはん

「あとは盛り付ければナシレマッの完成です」

 そうそう、ナシレマッ。マレーシアの定番朝ごはん。ナシはライス、レマッは油を意味するらしい。「ライスをココナッツミルクで炊くんです。このココナッツライスが料理のメイン。ココナッツミルクは油分が多いのでそう呼ばれているんです」

 アマンダさんはそう言って、炊きたてのココナッツライスを持ってきた。ふわりと甘いココナッツの香りが漂ってくる。粘り気のある日本の米をココナッツミルクで炊くとすごく油っぽくなるため、使用しているのはパラパラとしたタイ米(インディカ米)だという。

「このライスにサンバル、ゆで卵、キュウリ、ピーナッツを添えるのがナシレマッの基本です」とアマンダさん。「サンバルって?」と尋ねると、マレーシアでよく使われている辛味調味料とのこと。唐辛子に発酵させた魚やニンニクなどを混ぜてつくるもので、ナシレマッにはサンバルに煮干しやイカ、タマネギなどを和えて添えることが多いらしい。

「あとはお好みで総菜や料理を付けます。今日は私の好きなチキンカレーとタフバカ。タフバカは焼いた厚揚げにキュウリやニンジンなどの野菜を挟み、ピーナッツソースなどをかけて食べるんですよ」と説明しながら、アマンダさんは皿にきれいに盛り付けていく。

「あ~うまそう。早く食べたい」とTさん。この人、美味しいものへの嗅覚がとにかく鋭い。やはり共同スペースにある円卓に皿を並べて座り、ナシレマッお食事会がスタートした。

サンバルはアマンダさんがマレーシアに帰国した際に持ってきたもの。トマトペーストでマイルドにして煮干しを和えている。「日本の佃煮のようなものかな」とアマンダさん
マレーシアではナシレマッに限らずココナッツライスを食べることが多い。ココナッツミルクだけだと油っこいので水と半々にするのがコツ。本来は甘い香りのハーブ「パンダンリーフ」も入れる