コロンブスを航海に向かわせた、トウガラシをめぐる冒険

Photograph by Tim Sackton, Creative Commons 2.0

カプサイシン:舌への拷問

 最近では高速液体クロマトグラフィーを使ってトウガラシの辛さを分析できるようになったが、1912年に考案された辛さ測定法は、スコヴィル味覚テストと呼ばれる人間の舌を使う方法。トウガラシをアルコールに浸してカプサイシンを浸出させたのち、抽出液を希釈する。人間が口に含み、辛みを感じなくなるまでに必要な希釈液が多いほど、そのトウガラシの辛みが強いことを意味する。

 トウガラシの辛さは、今でも慣習的にスコヴィル値(単位はSHU)を用いて表現される。スコヴィルスケールの最小値は辛みのまったくないピーマンで、SHUスコアはゼロである。比較的辛みが穏やかなポブラノは500から2000SHU、威勢のいいハラペーニョは2500から8000SHU、口から火を噴くほどのハバネロは30万から57万5000SHUにもなる(気温などの環境によってカプサイシン含有量が変わるため、結果には幅が生じる)。

 スコヴィル値が50万を超えるトウガラシは「superhot」と分類されるが、もしかしたら「破滅的」と呼んだ方がいいかもしれない。そのような「megapepper」としては、ブート・ジョロキア(またの名をゴーストペッパー)が有名だ。インドで作られたハイブリッドで、世界で初めて100万SHUを記録した。2007年には、世界で最も辛いトウガラシとして、ギネスブックにも登録されている。これを口にした者は、「溶岩を食べたようだ」という感想を抱くという。