第112話 これはもしかして!春を呼ぶ、雪の舞?

 湖上をひた走り、ロッジに着くと、私たちはホットチョコレートを作って、体を温めることにした。

 スティーブは、ぬるめのものをすぐさま飲み干すと、そのまま自分の家に帰っていき、甘党のトーニャは、濃厚なものに、更にマシュマロを投入して、ゆっくりと溶かしながら飲んだ。

 私はビスケットをつまみながら、薄めに作ったものをすすった。

 しばらくすると、糖分の摂取に満足したのか、トーニャは、「寝るわ」とベッドに入る準備をはじめ、私も寝ることにして、洗面所に向かうと、まっ暗で何も見えない窓の外で、チラ、チラ、と何かが部屋の明かりに反射しているのが見えた。

「あっ、雪だ。やっぱり雪になったよ」

 私は、少し興奮気味でトーニャに言った。

 彼女もまた、窓に顔を付けて、外の雪を眺めた。

 アラスカに住んでいる彼女にとって、雪など珍しいものではない。

 雪国に育った私にとっても同じだ。

 でも、この雪は特別だった。

 なぜならそれは、凍てついた冬が終わる、春の訪れを知らせるような、ふかふか雪なのだから。

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