File7 日本の食品ロス 井出留美

第2回 食品ロスを助長する根深い日本の食品消費文化

「おそらく食品の新しさに業界も消費者も過敏なところがあるからではないでしょうか。賞味期限を多少過ぎても、その食品の管理がちゃんとしていれば食べられるのに、捨ててしまう消費者も多いですから」

 日本の食品ロス対策は、農林水産省を中心に進められてきているが、最近は上記のような流通・商習慣にも改善が加えられようとしていると井出さんはいう。

「2012年に4省庁、2013年8月には農水省、経済産業省、環境省、文部省、消費者庁、内閣府食育担当の6省庁が食品ロス対策で連携しました。さらに食品製造業、卸売業、小売業の企業、学識者、(公財)流通経済研究所が加わり、『食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム』が組織され、実証的な検討を行っています」

 同ワーキングチームの具体的な検討内容は「食品の納品期限の見直し」「賞味期限の見直し」「賞味期限の表示方法の見直し」などである。それらのなかには協力企業を仰ぎ、パイロットプロジェクトとして実施しているものもある。

 納品期限については、2013年8月から翌2月にかけて、飲料と賞味期限180日以上の菓子の一部について、納品期限を賞味期限までの2分の1にする実験が行われた。これには、食品関連企業35社が協力している。

 今年3月に公表された報告書では、納品期限の見直しにより、食品業界全体で飲料のロスは約4万トン(約71億円)、菓子のロスは約0.1万トン(約16億円)の削減効果が見込まれると推計している。この数字は、事業系食品ロスの1~1.4%に相当するという。今後は、この「2分の1ルール」を業界に奨励するとしている。

 賞味期限の見直しは、期限の引き延ばしである。井出さんによれば「実際に品質の保証が可能な期限よりも早い時期に、賞味期限を設定する食品メーカーが多い」のだそうだ。これも商慣習として定着している。

「賞味期限を短く設定すれば、それだけ商品の回転率が上がるわけですが、それだけ無駄も多くなります。この見直しは、さばを読んで早めに設定したりせず、きちんとした科学的な根拠に基づいて賞味期限を決めましょうということです」