平成24年度実績(平成25年度発表)によれば、食品廃棄物の年間発生量は1916万3000トンとなっている。このうち再生利用率は全体で69%。だが、業種により再生利用率は異なり、小売業は36%となっている。他の業種は、食品製造業が78%、卸売業52%、外食産業20%の順になっており、外食産業では79%が廃棄物として処分されている。また、再生利用分の9割は、家畜の飼料や肥料に使われている。

 では、日本全体での食品生産量に占める食品ロスの割合は、どのくらいになるのだろう。国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2011年の報告書では、世界の食品生産量の3分の1が廃棄されているというのだが。

「国内の食品廃棄物量の約1916万トンという数字には、魚のアラや食肉の骨、皮、脂肪など、加工や調理の過程で除去される分も含まれています。純然と人の口に入る可食分の無駄を食品ロスというのですが、それが日本全体でどれくらいかとなると、実は明確な数字がありません」と井出さん。「農水省の推計で食品ロスは年間500万~800万トン。このうち、事業者系が300万~400万トン、家庭系が200万~400万トンとされています」という。

 ずいぶん数値に幅があるが、仮に食品ロスの年間総量を800万トンとすると、日本の米の年間収穫量850万トン(2012年)に届こうという量になる。500万トンとすると、世界全体の食料援助量400万トン(2013年)を大きく上回る。国民1人当たりにすると、1日におにぎり約1~2個分が捨てられている計算になるという。

 食品ロスは、今や世界的な問題となっている。国連の推定では、世界の人口は2050年には90億人に達すると見込まれている。人口増加に備え、食料の生産・備蓄を世界規模で増やしていく必要がある。にもかかわらず、世界全体で食品の3分の1が無駄になっているのだ。

 それは食物そのものの無駄にとどまらず、生産のための労力やエネルギーの無駄にもなる。さらに、食品ロスが増大すれば、食品の原材料価格を引き上げるおそれも出てくる。日本においても、食品ロスを抑制していかなければならない。

 では、食品ロスは、日本ではどのように起こっているのだろう。

2HJの1階の作業スペース。食料が不足する人たちへ送るために、スタッフやボランティアたちが寄付された食品を仕分けするところ。この日はルー大柴さんもボランティアに駆けつけていた。(写真クリックで拡大)

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