京都大学の芦生研究林を、神戸大学の佐藤拓哉准教授と歩く。

 カマドウマとハリガネムシを見て、その次に目指すのは、渓流魚である。

 佐藤さんの専門である生態学的な興味として、陸域の生き物であるカマドウマが、寄生虫のハリガネムシに行動操作されて川に飛び込むことが、川の生き物にどのような影響を及ぼしているのか、というのが勘所なのだ。

 そして川の生き物で、直接、カマドウマを食べていそうなのが渓流魚、というわけだ。

 佐藤さんは、大きな蓄電池の入ったバックパックを背負って、研究林内の流れに足を踏み入れた。最終的には若狭湾にそそぐ由良川の支流。京都府だがここはもう「日本海側」なのである。

 佐藤さんが握っている棒の先にはリング状の電極があって、これで魚を一時的に麻痺させて動けなくする。いわゆる「電気ショッカー」だ。捕まえた魚は電流を止めるとすぐに再び無傷のまま泳ぎ出すので、魚体にとっても安全な捕獲方法として調査などで使われる。もっとも、研究用に許可を得ているからできることで、漁法としては一般には禁止されている。

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本誌2014年11月号でも特集「世にも恐ろしい 心を操る寄生体」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

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