第2回 まるで寄生獣!寄生虫ハリガネムシの恐るべき一生

「近い生き物はというと、線虫の仲間なんですよ。類線形虫類って言われまして、線虫類から進化して分かれたような分類群の生き物です。淡水にも海水にもいるんですけど、海にいるやつは生活史がほとんどわかっていません。カニのお腹のハカマの中から出てきたりするんですけどね。一方で、陸のやつはわりと目につきやすいので、世界中に今326種記載されています。実際には、もっといて、2000種以上はいるんじゃないかという話もあります。日本のもので記載されているのは14種です」

 ハリガネムシというのはぱっと見たところ、無個性だ。単に細長い。体表のクチクラの構造や雄の排泄腔の形状などで分類されてきたのだそうだが、とうていすべての種には手が回っていないというのが現状。

「僕たちも、遺伝子なんか使って、どういう種が渓流にいるか見始めたんですけど、そうするとここのような小さな川の中からだけでも、7種、8種とかいうハリガネムシの種が出てきたりします。遺伝子のマーカーで見ても結構離れていて、これだけ違ったら遺伝的に交われないんじゃないかっていうようなやつです。なんで何種類もが小さな川で共存できるのかとか、わからないことがますます増えてしまって」

 それでも、生活史については、だいたい同じであるらしい。佐藤さんに、ざっくりとした「ハリガネムシの一生」を語っていただいた。

研究のために作った水たまりにいた。(写真クリックで拡大)