第1回 カマドウマの心を操る寄生虫ハリガネムシの謎に迫る

 夜10時過ぎにJR京都駅外の駐車場で待ち合わせ。

到着は深夜だった。これは昼に撮影。(写真クリックで拡大)

 出迎えてくれた佐藤さんのジムニーを追いかけて、レンタカーでひたすら北上する。鞍馬天狗や牛若丸で有名な鞍馬山の裾野を越えてさらに行くと、街灯もほとんどない峠道をひたすら走ることになる。地図上ではもうすぐ若狭湾ではというところまで来て、目的地である京都大学の「芦生研究林」の看板が見えた。時刻は午前零時。京都駅を出てから2時間が過ぎていた。

 宿泊棟に入ってまずは一安心、と思ったところ、佐藤さんは学生さんたちと一緒に「カマドウマのトラップを仕掛けに出かけます」という。これはついていくしかない。

(写真クリックで拡大)

 敷地にトロッコの軌道があり、軌道が通る橋をわたったすぐ先の川縁がトラップのポイントだ。仕掛けは、2リットルペットボトルの容器を途中で切断し、注ぎ口を反転させたもの。中にはカルピス原液とビールを混ぜた濃厚な液体を微量入れておく。佐藤さん秘伝のカマドウマを誘引する魔法のレシピだ。

「多い時には、2日放置すると20匹くらい入りますかね。ペットボトルの口が滑りやすいせいか、ほかのものが入らないのでいいんです」

ペットボトルトラップ(左)と、カマドウマを誘因する魔法の液体(右)。(写真クリックで拡大)