まず「何の効果について聞きたいのですか?」と問うと「何の効果がありますか?」と問い返されることがあり、「分かりません」ということで取材は即時終了になる。

「不眠症などの睡眠障害にも効果がありますか?」ときかれたらやはり即答で「効果が確認された快眠グッズはありません」とお答えする。実際、患者さんに使ったことないし。

「寝心地が良くなりますか?」という質問であればかなり気軽に「そうなんじゃないですか」と答えることにしている。ヒンヤリして気持ちよいとか、良い香りに癒やされるとか、独り寝が寂しくないとか、何らかのリラクゼーション効果があることは間違いないだろう(と思う)。実際、私も三日月型の抱き枕を使っている。私は右半身を下にして寝ることが多いのだが、左手と左膝がしらの収まりが良くてとても気に入っている。

 ここら辺で引き下がってくれれば良いのだが、「いや、睡眠の質が良くなるとか、睡眠が深くなるとか、もっと具体的な睡眠改善効果があるか聞きたいのですが」とか突っ込まれると軽く戦闘モードになって受話器を握る手にグッと力が入る。仕事が忙しくて機嫌が悪いときは「睡眠の質ってなんじゃい」「睡眠の深さと快眠、熟眠感は必ずしも比例せんぞ」とか小1時間問い詰めたくなるのだが、そこは堪えて「大部分のグッズではそこまで調べてないと思いますよ」とオトナの対応をしてみせる。

 この種の質問は答えに窮することが多い。なぜなら、そもそも快眠とは何か? どのような睡眠を取れば熟眠感、回復感、爽快感が得られるのか? という基本命題ですら睡眠学の未解決問題だからだ。睡眠時間がこのくらい長くなれば、睡眠がこのくらい深くなれば快眠が得られると分かっていれば答えようもあるが、そのような「快眠バロメータ」は現時点では明らかになっていないのである。

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