第2回 体育会系生物部でチョウを追う

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――生物部の部員には筋トレが課せられていたとか。

 そうなんです。体育会系生物部なんです。

 腹筋、腕立て伏せ、スクワット、週3回は走り込みもあって、東京タワーコース5km、英和コース6km、英館コース10km、皇居コース10km以上。

 先日、生物部のOB会で聞いたのですが、10歳上に生物部と陸上部を掛け持ちしていた先輩がいたそうです。その先輩は「陸上部よりトレ―ニングが厳しいから」と生物部を辞めたとか。

――なぜにそこまで?

 先にちょっと言いましたが、高山チョウを見るには山に登らなければなりません。体力が要ります。高山に限らず、自然の中に出ていくときには、それ相応の体力が必要です。それゆえのトレーニングだったと思います。

 フィールドワークは強靭な体力があってこそだと。
 生物部ではチョウ好きを「チョウ男」と呼んでいました。魚好きを「魚男」とは呼ばないのですが。この「男」に、いろいろな意味が込められていたのだと思います。

――ところで、走り込みコースの「英和」と「英館」って何ですか。

 英和は六本木の東洋英和女子学院、英館はその英和女子から広尾の東京女学館へ回るコースです。

 え~、僕の通っていた港区にある学校は男子校でしたので、そこのところはお察しください。女子校に近づくと、いいところを見せようと皆の走るペースが上がるという。な~んにも成果はありませんでしたけどね。

――次は、なぜ生き物好きがアナウンサーに、というところに迫りましょう。

(つづく)

桝太一(ます たいち)

1981年千葉県生まれ。日本テレビアナウンサー。東京大学理科二類入学、同大学農学部水圏環境専修卒業。同大学大学院農学生命科学研究科終了後の2006年、日本テレビ入社。「ZIP!」のほか、「全国高等学校クイズ選手権」の総合司会などを務め、「好きな男性アナウンサーランキング」で2012年、2013年と2年連続で1位に選ばれる。著書に『理系アナ桝太一の生物部な毎日』(岩波ジュニア新書)など。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。