第33回 お茶請けに!ご飯の友に!ミャンマーの食べるお茶
「ラペソーはほかの食材と混ぜて食べることも多いんです。ラペソーの混ぜご飯は食堂にもよく置いてありますし、トマトやキャベツと和えてサラダにして食べたりもします。でもアジョゾンを混ぜるのが一番ポピュラーかな」
アジョゾンとはヒヨコ豆やピーナッツなどいろいろな豆を揚げたものだそうで、「これもラペソーと同じくらいお昼やおやつでよく食べます」とニニさんが教えてくれた。少々油っこい塩気の効いた「食べだすと止まらなくなる」タイプのスナック豆で、店では袋売りされている。ラペソーに別の食材を混ぜた料理は総称して「ラペットゥ」というそうで、ザニミィンさんがアジョゾンのラペットゥを特別につくって出してくれた。
ラペソーとアジョゾンそれぞれのうま味と食感が折り重なった豊かな風味。ピリ辛で少々濃いめの味が後を引き、ご飯のおかずにもぴったりだ。
お茶は飲むものだというのは偏見だった。しかも、ミャンマーだけではなく、タイの北部や中国南部の雲南省でも食べられているという。茶は製造方法や発酵度によって緑茶や紅茶、青茶(ウーロン茶)などに分けられるが、もとは同じツバキ科のチャノキの葉であり、その起源は雲南省だといわれている。ラペソーも雲南省付近で食べられていたのが、国境を接するミャンマーに伝わったのではないかと考えられる。
一緒に店番をしていたイェマンアウンさんがお茶を出してくれた。ラパイェというコンデンスミルクを入れたミャンマー式の甘いミルクティーだ。アジョゾンのラペットゥはお酒にも合いそうだが、「ミャンマーは熱心な仏教徒が多いのでお酒を飲まない人が多い」とイェマンアウンさん。ピリ辛おつまみとミルクティーを口にしたら、まるで自宅にお邪魔したかのようにリラックスして、談笑タイムに突入。そこでザニミィンさんもイェマンアウンさんも、ピューさんと同じように留学生として日本にやってきたことを知った。
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