第33回 お茶請けに!ご飯の友に!ミャンマーの食べるお茶

 「これ、ほとんどが食材店なんですよ」

 1軒だけかと思っていたら、このビルの中には7~8軒のミャンマー食材店が入っていて、ミャンマー人が経営するマッサージ店なんかもあるらしい。ピューさんに導かれながらまずはエレベーターで8階に向かう。廊下に立つと、その光景に思わず目を見張った。フロアには部屋が8つほどあるのだが、半分以上のドアが開かれていてミャンマー語や英語の案内が表記されている。まさに“リトル・ヤンゴン”ではないか!

 一つひとつ店を覗いてみる。陳列の仕方は各々だが、どこも5~6坪の店内に麺や調味料、ポップな袋に入ったインスタント食品などが所狭しと並んでいた。冷蔵庫の中には野菜や肉もある。初めて見るものばかりだが、どれもミャンマー人に馴染み深いものだという。中でもとくに好んで食べるものはあるのだろうか。ピューさんに尋ねた。

 「ラペソーは食卓に欠かせません。どの店でも必ず売っていますよ」

 ミャンマーの言葉でラペは「茶」、ソーは「湿っている」という意味。「そうだよね、お茶は毎日飲んだりするものね」と頷いていると、「飲むんじゃないですよ。食べるんです」とピューさん。「えっ、茶葉を食べるの?」と驚く私を見て、陳列棚から袋入りの商品を手にとって見せてくれた。確かに茶葉の形をしているが、緑茶に比べると色が黒っぽくて水気がある。

 「ラペソーは茶葉をじっくりと発酵させているんです。おかずとしてはもちろん、お客さんが来たときに緑茶やミルクティーと一緒に出したりもします。日本の漬け物みたいな感じですね」

味付けをしていないラペソー。かつては市場での小売りが一般的だったが、いまは全国展開する問屋もあるという
味付けされたラペソー。昔は塩とごま油だけで味を付けていたが、唐辛子を使うなど時代とともに変化している