ヨーロッパには厳しい規格

 最近の消費者は、形が均一な美しい野菜に慣れているため、奇妙な形の野菜を手に取りたがらない。人々は枝分かれしたニンジンや、表面がデコボコのジャガイモ、ふたつが結合したビーツ、小さめのリンゴ、そして先程も登場した曲がったキュウリなどを避ける傾向にある。実はわれわれ消費者は、そうした不格好な食品から法律によって守られている。

 たとえばEUの規格はひどく細かいことで有名で、キュウリは「適度に形がよく、ほぼまっすぐでなければならない(円弧の高さは最大で10センチごとに10ミリ)」、ニンジンは「枝分かれしておらず、副次的な根も出ていない」、リンゴは「直径50ミリ以上、あるいは重さ70グラム以上でなければならない」と定められている。

 店頭で販売される食品にこうした細かい規定を設けることにより、ヨーロッパでもアメリカでも、大量の廃棄食料が生み出されている。収穫される青果のうち、美しさの基準を満たしていないというだけの理由から消費者のもとまで届けられないものは、全体の40パーセントにのぼるとも言われる。

 あるキュウリ農家では、1年間に収穫するキュウリのうち、出荷されるのは半分以下だが、不適格とされたキュウリの75パーセントは、味に関しては何の問題もないという。またあるトマトの梱包会社では、旬の時期には、形の悪い果実を40分毎に10トンも廃棄している。

 EUは多くの批判を受けて、26種類の青果についての規格を撤廃したが、その他10種類については引き続き規格を設けている。これに該当する青果には、リンゴ、柑橘類、モモ、洋梨、ピーマン、トマトといった需要の高いものが含まれているので、ヨーロッパに流通する量の75%に相当する。

(写真提供:Fruit Mould Company)

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