「わたしの1日は24時間ではない。28時間くらいある」と言うベッキーは、本当にハードワーカーだ。絶大なリーダーシップを発揮し、チームを牽引した。

 今回、田口さんの予定をアレンジし、魏教授らも呼んだのは彼女である。彼女と魏教授が行政と話を続け、許可が降りた瞬間、なにもかもが凄い勢いで動き始めた。

 銅仁市内の江口地区での養殖場めぐりをした後、次は苗族が多く住んでいる松桃苗族自治区へと向かった。そこでも、頭の中で記憶が溶けてしまうほど、めまぐるしく作業をして回ったのだが、その中でひとつ謎が解けたかもしれない。

「幼生とか小さいのがいませんよね」と田口さんも疑問を口にしていたことだ。

養殖家の主と(左)。苗族の養殖家(右)。(以下写真:川端裕人)(写真クリックで拡大)
また計測(左)。もちろんサンプリングも(右)。(写真クリックで拡大)

 最初にまわった養殖場では、20センチ以上はありそうな若い個体はいたが、数センチから10センチ前後の子どもは見なかった。ましてや、卵を孵化させて、ゼロから大きくしている痕跡が見当たらなかったのである。

 それが、松桃の養殖場では、まさにそれが行われていた。まだ鰓を持っている、つまり、アホロートル状態の幼生もいた。こういうところでしっかりと繁殖させて、他の養殖場に供給しているのかもしれない。貴州省銅仁市界隈だけの事情かもしれないが、まだ中国のオオサンショウオやその養殖についての情報はきわめて少ないので、ここで報告しておくと何かの参考になる人もいるかもしれない。

子どもがいた!(写真クリックで拡大)
「繁殖区」の看板も(左)。出荷用のケース(右)。ブランドらしい。(写真クリックで拡大)

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