番外編4 ヨウスコウカワイルカの二の舞を防げ

 養殖場めぐりを終えた翌日、銅仁の大学で「オオサンショウウオ保護国際研究会」なるものが開かれた。

 細長いロの字型のテーブルに、やけに立派な黒い椅子。それらが立派すぎてモノリスのように見え、エヴァンゲリオンの「ゼーレ」の会議か! というくらいだった。実際、大学の副学長が出席したり、かなりハイクラスな人たちが集まる場であったようだ。

 田口さんは講師で、最前列。日本のオオサンショウウオ保全活動や、自身の研究を語り、実に1時間半、堂々とレクチャーした。

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 さらに、ぼくも……なぜか、ネームプレート付きの席を与えられ、つい最近、雑誌掲載されたばかりの「オオサンショウウオ小説」について紹介した。オーガナイザーであるベッキーの意向だった。最初はなぜ? と思ったが、「日本ではオオサンショウウオが、幅広い文化になっている。それを伝えたい」というのである。たしかに、誰もが知っている井伏鱒二から始まって、日本のオオサンショウウオは、幅広い文化として浸透しているかもしれない。例えば、Amazonのサイトで、オオサンショウウオと打ち込めば、書籍だけでなくぬいぐるみや手ぬぐいやペンケースまで100件ほどの商品がヒットする。愛好家が確実にいるのである。そして、愛着を持たれる生き物は、保護されやすい。

 研究会の参加者たちは、随分な長丁場なのに、集中を途切れさせることなく、さかんに議論した。「夜の打合せ」で、もう正体が分からなくなるほど痛飲していた人たちも、まさに昼間の表情で参加していた。特に、漁政局の人たちは制服着用できりっとしており、格好良かった。

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