番外編1 中国でオオサンショウウオは「高級魚」

 まず、ぼくがなぜ調査に同行したのか、個人的なことではあるが、そのままオオサンショウウオの不思議な魅力を語ることになると思うので、最初に書いておく。

 いきなり言ってどれだけの人が納得してくれるか分からないが、オオサンショウウオは特別な感じがする生き物だ。

 まず大きさ。日本で飼育されている(いた)オオサンショウウオで、きちんと記録が残っている個体では、最大150センチクラスのものがいた。写真などで見ると圧倒される。子どもの身長よりも、そいつらの全長の方が上なのである。

 そして、チュウゴクオオサンショウウオは、さらにひとまわり大きくて、180センチ級も報告されている。アジア人の平均的な身長を上回る体長だ。

 日本のものも中国のものも、オオサンショウウオ界のチャンピオンであり、世界最大の両生類である。単に大きいからといって、そこに反応するのはどうかとも思うが、生き物好きとしては、非常に、そそる部分である。巨大な恐竜につい子どもが興奮するように、ぼくにとってオオサンショウウオはカリスマ的な生き物だ。

 また、そのライフスタイルも興味深い。あの巨体で活発に動き回っていると大変なエネルギーが必要だ。徹底的に省エネの待ち受け型のハンターで、夜、のっそりと川底に現れては、鼻先にやってきた魚などを丸呑みにする。繁殖の季節だけは川を遡ったり、巣穴をめぐって闘争したり、いろいろ派手なことがあるようだが、基本的にのっそり生きている。何千万年も姿が変わっていないとよく言われるが、ぼくの目には何億年も前の原初の両生類の姿を今に留めているようにも思える。