第3回 世界遺産の魅力を言葉で伝える語り部に
――世界遺産検定について少し教えてください。1級合格はそうとう難しいということですが、どんな問題傾向なのですか。
2級は、教科書が1冊で、僕くらい世界遺産のテレビ番組を見ていれば、まあ一夜漬けでも合格できるかもしれません。
でも、1級になると教科書は3冊になるんですよ。設問の内容もかなり細かくて「そんなことまで知っていなきゃいけないの?」という感じです。
世界遺産条約とはどういうものかとか、登録基準の意味するところは何かとか。また、日本にある世界遺産の問題が重視されているのですが、たとえば寺院の伽藍配置なんて問題もあります。飛鳥寺式、四天王寺式、法隆寺式とか、いろいろあるんですよ。最初はまったくお手上げでした。
――どんなふうに勉強したのですか。
過去問題をやっていて、世界遺産に関する知識を、一つひとつ記憶していくやり方だけではだめだなと思いました。
そこで、世界遺産を自分なりにカテゴライズして、関連づけをしながら覚えていくようにしました。
たとえば「天空シリーズ」とか、「地下シリーズ」。天空シリーズは、ペルーのマチュピチュや、スリランカのシギリヤロックといった高地や山上に築かれた宮殿や都市遺跡。