第32回 ミャンマーの大定番、ナマズとバナナのコラボ料理とは?

 「私の家では毎週休みの日にお母さんがつくってくれました。屋台も美味しい店はあるけれど、やっぱりお母さんの味にはかなわない。だからすごく楽しみにしていて、つくるときは手伝ったりもしました」とピューさんが言えば、「私は誕生日になると家族みんなが早起きしてつくってくれたわ」とマヘーマーさんも懐かしむ。日常的に食べると同時に、ハレの日の料理でもあるなんて本当に愛されている。

 いよいよスープづくりだ。まず具材を炒めるため、熱した鍋に油を……底に2センチ溜まるくらいなみなみと投入。驚いて「入れすぎでは?」と聞くと、「ミャンマー料理は油をたっぷり使うのが基本なんですよ」とのこと。料理とともに食材のうま味が染みこんだ油が美味だとされる文化があるらしい。

 玉ネギを香ばしくなるまで炒めてから、ショウガ、レモングラス、バナナの茎を追加。パプリカ、ターメリック、塩で風味付けをして、ナマズのすり身を入れた。全体によく火が通ったところで水を入れてじっくり煮込む。

 ここでようやく麺が登場。モヒンガー用の麺はモンパといって見た目は素麺のようだが、原材料は米だとマヘーマーさんが教えてくれた。「ミャンマーでは専門店で生麺を購入しますが、日本にはないので今日は輸入品の乾麺を水でもどして茹でています。でも輸入品は高いので素麺を代用することが多いですね」

 いいにおいが漂ってきた。最後に米粉を水で溶いたものでとろみをつけて完成だ。調理に2時間半、本来はもっと煮込んだほうがよいが、お腹はペコペコである。ニニさんが皿にモンパをとりわけてスープをかけ、鶏の卵やパクチー、揚げたニンニク、レモンをのせていく。

色味はパプリカやターメリックによるもので辛くはない。ミャンマーは隣接するインドの影響を受けていて料理もカレー類が多いが、唐辛子はさほど入れない
モンパに卵やパクチーを好みでトッピング。味を調整する揚げニンニクや粉末の唐辛子もある。トッピングの種類はどこでもだいたい同じだという