- OCTOBER 2014 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

赤いトラックと組み立て工

 工場の製造ラインで組み立てられていく、真っ赤なトラック。日産自動車の横浜工場で撮影されたこの写真は、高度成長期の日本を支えた自動車産業を象徴する一枚として、1964年10月号に掲載された。


 横浜市神奈川区にあるこの工場は、いわば同社の出発点。部品の製造から最終の組み立てまで一貫生産を行う、日本で初めての量産工場として、35年に操業を始めた。写真は当時の看板車種「ダットサントラック320型」。国内の需要増に加えて、北米や東南アジアへの輸出が急速に拡大していたこの時期、工場では増産に追われていた。


 戦後、ほとんどゼロから再スタートした日本の自動車産業は、80年には国別の自動車生産台数で世界トップに躍り出た。組み立て工のひたむきなまなざしも、そんな明るい未来を見つめているようだ。

写真=WINFIELD PARKS/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE