必要な道具は棒と板だけです。さっそく東急ハンズで直径1cmのラミンの丸棒と厚さ1cmのヒノキの板を買ってきました。勢い込んで回してみるものの、さっぱり火がつきません。摩擦で焦げはするのですが、木くずも大してたまりません。

 困った挙げ句、ラミン棒の先を尖らせてみたり(尖らせるとよりいっぱい板が削れると思ったのですね)、棒を立てる位置を変えてみたりと、いろんなやり方を試してみるものの、いっこうにうまくいきません。体力のいる作業なので、何度もやっているうちに手の皮はむけるわ、回転は落ちるわ、と苦しい日々が続きました。

ヒントは棒の素材にあり

 1年目は棒と木をこすり合わせる方法では火をおこせなかったため、子どもたちを迎えた実習では別の方法で火おこしをしました(後ほど紹介します)。

 でも、やっぱり木の板でおこしたい。そこで図書館に出向き(その頃はインターネットなどありませんでした)、片っ端から資料を漁り、棒にはアジサイやウツギが最もよいという記載をみつけました。アジサイやウツギの枝は芯がスポンジ状になっており、円周部分に力がかかるようになっています。これが少ない力で木を削っていくには最適なのでした。木が削れることはとても大事です。摩擦によって、その削れた粉が火種になるのですから。

(写真クリックで拡大)

 ただアジサイの枝もウツギの枝も、お店には売られていません。枝には条件があります。まず枯れ枝ではダメで、生きているものを切り、それを乾燥させたものでないといけません。強度がでないからです。そのうえ真っ直ぐなものとなると、1本探しだすのも非常に難しい、と半ばあきらめていたところ、セイタカアワダチソウも可との記載をみつけました。これなら用意ができるかも、と何度目かの実験へと動き出しました。

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