旧石器時代から現代までの日本人の顔の変遷。
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(画像提供:馬場悠男)

「江戸時代の美女の顔は細くても長かったのでまだよかった。いまは細くて短い、いわゆる小顔がよいとされます。アイドルはみなそうですよね。これが大問題。戦前戦後に活躍した女優の原節子さんは目鼻立ちがしっかりしていて、いわゆる縄文顔です。長さもあり、顎もしっかりしている。原節子さんのような縄文顔を美人というのならいいんです。美の概念が変わりだしたのは小泉今日子さんが出てきたくらいの頃でしょうか。“アイドル”がテレビを席巻するようになってからです」

 確かに、「なんてたってアイドル」を歌うキョンキョンは圧倒的なかわいらしさで、誰もがあんな小顔になりたいと憧れた。だが、健康面から考えると望ましいことではなかった。

「もちろん、バランスが取れていれば問題はありません。体全体が小さくて細ければ小顔でもいい。弥生系は歯が大きいですが縄文系の顔は歯が小さいので、縄文系の人は小顔でも歯並びがいい人もいます。そうではないのに、顔が小さいとか顎が細いのが問題なのです。とくに、中年太りになって顎の内側に脂肪がたまると睡眠時無呼吸症になりやすい。痩せていても前から見て二重顎の人は要注意です」

 ずっと小顔に憧れていたが、顔が大きくて顎もしっかりしていてよかった……。しかし、今の小学生、中学生などは歯並びがいいほうが珍しいと聞く。「いまの状況が続けば、顎はどんどん細くなり、病気が蔓延することになりかねない」と馬場さんは警鐘を鳴らす。では改善するためには、具体的にどのような対処法をとればよいのだろうか。

「成長期、できれば幼児期のうちから、縄文時代の頃のようにかたいものを食べることです。それも大きい食べ物を前歯で食いちぎってしっかりと噛む。前歯で食いちぎることで、前歯を支える歯槽骨が厚くなり、前歯が垂直に立って口元が引っ込みます。噛むことが咀嚼筋や顎を発達させるのはよく知られていますが、それだけでなく口元が引きしまって端正な顔になります。この2つが備わっているのが縄文人の顔。健康美人の顔なのです」

 もちろん、健康イケメンも同様だ。そして、このことは歯科医の間でも認識され始めていて、馬場さんのもとには縄文人の顎を治療の参考にしたいと訪れる歯科医もいるという。

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