File5 食べ物と日本人の進化 馬場悠男

第2回 食べ物で顔はこんなに変わる

 12代将軍家慶の側室で、13代将軍家定の生母である本寿院などはその典型で、遺骨を調べると、まさに細長い顔をしていたという。現代も、雑誌やテレビに登場する女優やモデルが美のイメージをつくる。美への捉え方は違っても、世間の流行に左右されるのはいつの時代も同じだ。

 なお、縄文人と同様に、大奥の女性の骨についても米田さんたちは食べていた食物を調べた。基本的に江戸時代の庶民と同じで、米と魚介類を食べる伝統的なものだが、魚介類の比率が高かったとのことだ。

「必要なカロリーと必須アミノ酸、ビタミンがあれば、何を食べていても、骨格そのものには大きな変化はありません。ただ、顔は食べ物の影響を強く受けます。そして、食べ物による顔の変化こそが、現代のさまざまな病気を生み出している原因のひとつと言えるのです」

 美の概念だけでなく、健康にも影響を与えるとは恐るべし。いったい、病気を生み出す顔とはどういうものなのか。私の顔はどうなのか慌てて聞くと、とりあえず大丈夫らしいが……。明治以降の顔や体つきの変化を追いながら詳しく伺っていこう。

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つづく