第113回 デニッシュはパンじゃなくて“ケーキ”だった?!

 実は、デンマーク人である旦那様にも現地のお菓子事情について話を聞いてみたくてお願いしたところ、甘いものは得意ではないとのこと。そこで「彼女は食べ物に詳しいですよ」と紹介してもらったのは、デンマーク在住18年になる大加瀬恭子さんだった。電話の先で大加瀬さんが教えてくれたのは、「ブルンスウィアー」というフュン島名物の茶色いケーキ。

 四角いオーブン皿に生地を流し込んで焼き、切り分けて食べる素朴なもので、黒糖とバターを溶かし合わせたものを生地の上にかけオーブンで焼くのだという。「でも、ケーキといっても、スポンジケーキのようにふわふわではなく、パンみたいな生地なんです」と大加瀬さん。そう、デンマークでは、ヴィナボーだけでなく、日本なら菓子パンの一種に分類されそうなお菓子がポピュラーなのだ。

 「この国には日本のようなケーキ屋さんはなくて、ケーキ類はパン屋さんで扱っているんです。でも、日本のように生クリームを使ったようなケーキはあまりなくて、ブルンスウィアーのように素朴なものが多いんですよ」と彼女はつけ加える。

 ブルンスウィアーはとても甘いお菓子らしいのだが、「そうじゃないと美味しくないんですよ」と教えてくれたのが、かつて大加瀬さんの同僚だったというオーデンセの観光局に勤めるデンマーク人女性のローネ・ウスターゴーさん。「コペンハーゲンなどでも売っているんだけど、フュン島のケーキとは別物。美味しいブルンスウィアーは地元で食べないとね!」とオーデンセ出身のローネさんは受話器の向こうで胸を張る。

 彼女は子どもの頃好きだったお菓子を挙げてくれたのだが、これもやはり素朴なケーキだった。お菓子の名前は「ドルゥムケーイ」(ドルゥムが夢、ケーイがケーキ)。黒糖とココナッツをトッピングしたケーキだ。

ブルンスウィアー。写真ではわかりづらいが、上部は全体が飴色ででこぼこしている
ドルゥムケーイ。ちなみにデンマークでは、お菓子と共にコーヒーを飲むことが多いという