第113回 デニッシュはパンじゃなくて“ケーキ”だった?!

 そういえば、辻村さんが作ってくれたスライスアーモンドがたっぷりトッピングされたヴィナボーも、それぞれの形は不揃い。焼いたアーモンドやバターたっぷりの生地のいい香りがする。いただいてみると、甘~い層がパン生地の間にのぞいた。アーモンドプードル(アーモンドの粉)とバター、砂糖を合わせたものを生地でくるんでいたのだ。「カスタードとかクルミとか、ヴィナボーは、大抵こんな風に何かをくるんでいるんです」と彼女が教えてくれる。

 もう1つ、辻村さんが紹介してくれたのが「リンサ」と呼ばれる焼き菓子だ。有名なデンマークのデザイナー、アルネ・ヤコブセンの大好物として知られるもので、カスタードをタルト台につめて焼いたお菓子だ。見かけはマカオや香港、ポルトガルなどで人気のエッグタルトとさほど変わらないように見える。

 いただいてみても、正直、優しい味わいのエッグタルトというぐらいで、どこがデンマーク風なのだろうと思っていたら、実はその先があった。デンマークではこれに、よくベリー類を使ったフルーツソースをかけて食べるのが一般的だというのだ。確かに脇にはたっぷりとブルーベリーやクランベリーを使った赤紫色のソースが入ったポットが添えられていた。

 早速、探検隊も試してみました。すると不思議。なんとなく既視感があったタルト菓子が別のお菓子のように。果物の酸味が爽やかで、ベリー類が豊富なヨーロッパ北部ならではの味わいになる。これは、ヤコブセンでなくともやみつきになりそうです。

リンサ。デンマークのパン屋では大抵売っているというお菓子。辻村さんが作ってくれたリンサのカスタードは茶碗蒸しのようにふるふるとして美味でした