ナショナル ジオグラフィック協会の「プリスティーン・シー(原始の海)プロジェクト」は、地球上にわずかに残された「原始に近い状態の海」を探査し、その保全を助けることを目指している。

 こうした原始の海は、健康な生態系を構成している生き物たちが、それぞれどのように作用し合っているかを教えてくれる。しかし、遠洋漁業の海域が広がるにつれ、人間の活動の影響を受けていない手つかずの海は減りつつある。

 ナショナル ジオグラフィックの協会付きエクスプローラーであるエンリック・サラが率いるチームは、辺境の海10カ所を調査。現地の政府や財団、自然保護団体と協力して、38万5000平方キロにわたる海の保全に取り組んでいる。そのなかには太平洋離島海洋国立モニュメント(米国)、海山海洋管理区域(コスタリカ)、モトゥ・モティロ・イバ海洋公園(チリ)などが含まれる。

 島嶼国キリバスは、南ライン諸島周辺に禁漁区を設けることで資源の乱獲に歯止めをかけた。サラは語る。「この海に潜ってから、“自然な状態”に対する認識が、がらりと変わりました。私たちはサンゴ礁の健康度を測る新たな基準を手に入れたのです」