さらにゴルゴダの丘にある聖墳墓教会に行くと、世界中から巡礼者が来ていて、2000年前のキリストの殉教を悼んで号泣しているんです。また、イスラムのモスクに行くと、入るのを拒絶する雰囲気があって、3つの地域でまったく違った空気が流れているんです。六本木ヒルズくらいの広さですが、道路を1本渡るだけで、景色も街の雰囲気もガラリと変わるんです。

――実際にご覧になって、どんな印象でしたか?

 とてつもない緊張感がありました。この目で見て初めてそれを実感しました。

 どれだけ書物で読んでも実感できないことを、肌で感じました。当時は、子どもの自爆テロ事件が多発していたので、イスラム教徒の子どもを見ると、申し訳ないけれど避けて歩いていました。

 パレスチナ自治区へ行ったときには、僕ら旅行者は単純に車で移動しているだけなのですが、検問所では車の窓から機関銃を突きつけられるんです。

 宗教をめぐって、なぜにこれほどまでに激しい戦いが繰り返され、今も続いているのか。本を読んで多少は勉強しましたけれど、現代の日本人にはなかなか理解しにくいところがあります。しかし、現地で実際の空気感に触れると、その世界観の違いに圧倒されます。

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