第112回 “新感覚マシュマロ”のイラン菓子

 見かけは、西欧のヌガーにそっくり。味も同じかなと思いながら口に入れると、ふわふわと軟らかく少しマシュマロを思わせる食感。これまで硬い食感のヌガーしか食べたことがなかったので、新鮮な驚き。ぱぁっと広がるバラの香りも、中東のお菓子ならでは。ちなみにバラはイランの国花でもある。

 でも、軟らかい「マシュマロタイプ」が定番の味というわけではないらしい。ムスタファさんは、「パッケージに粉が入っていて、その中にギャズが入った『アールディ・ギャズ』というタイプもあるんだ。粉は互いにくっつくのを防ぐためのものなんだけど、これは硬くて割って食べるんだよね。だけど、口に入れると軟らかくなってきて、長いこと噛んでいられる。僕はこれが好きなんだ」と表情を緩めた。

 更に、最近イスファハンを訪れたという日本人女性のお客さんは、ギャズを最初に売り出したという老舗菓子店に行ったそうで、「現地の人に聞いたら、ピスタチオの割合を指定するなど、自分の好みに合わせたギャズも作ってくれるといっていましたよ」という。栗ようかんに入れる栗の量をオーダーメイドできるような感覚? ちょっとうらやましい。

 もう1つ、「ダルビッシュ」で発見したお菓子は「ノグル」。これは、小ぶりのアーモンドに砂糖をまぶし、ローズウォーターで風味づけしたもの。見かけも味わいも、砂糖をまぶした日本の豆菓子に似ている。正月や結婚式といったお祝いの席によく登場するお菓子らしい。

左:ギャズ。中に入れるのはイランが世界第2位の生産量を誇るピスタチオが大定番だが、アーモンドが入ったものもあるらしい。ちなみにイランでは、ピスタチオの緑色の皮の部分をジャムにもする。右:ギャズのパッケージ。イスファハンのメーカーのもの
ノグル。ギャズやノグルはデザートではなくお茶請けのお菓子だ。ノグルは正月(イランでは3月21日)につきもののお菓子でもある
左:お店にはイランのクッキーもあった。直径9センチと大ぶりで、軟らかくケーキのよう。クルミとゴマのペーストが入ったもの、ココナッツのペーストが入ったものがあって、いずれもとても甘い。こうしたクッキーは北イランでポピュラーなお菓子だそう。右:パッケージはこんなふう。イランの大手菓子メーカー、ナデリのもの