第112回 “新感覚マシュマロ”のイラン菓子

 東京・小伝馬町。ビルが立ち並ぶ小路に、突然、そこだけぽっかり異国が紛れ込んだような店が現れる。イラン食材店「ダルビッシュ ショップ」だ。

 実は探検隊、第111回で紹介した冷菓以外にもイランのお菓子がないかと探していた。そこで行き当たったのがこのお店。店主はムハンマド・ハサン・アガシさん。来日23年、5年前に現在の店を開いた。ハサンさんは、イスラムの神秘主義スーフィー教の教徒であったため、店名にスーフィー教徒を意味する「ダルビッシュ」とつけたのだそう。

いつも、白く長い髭と黒い帽子というスタイルのハサンさん。首都テヘラン出身。日本の抹茶アイスが好きだそう

 店には在日のイランの人々が集い、ハサンさんとのおしゃべりに花が咲く。探検隊が訪れたときも、数人のイラン人男性客が出たり入ったり。「ダルビッシュ」は通信販売も行っているのだが、埼玉から訪れたというムスタファ・カザイさんは、都内で買い物をする度にわざわざ小伝馬町まで足を運ぶ。「だってハサンさんと会って話すのが楽しみだからね」。なんといってもこのハサンさん、ホスピタリティにあふれているのだ。

 「サラーム」というイランのあいさつの言葉と共にお客さんが入ってくると、ハサンさんはまず「どうぞ」、と甘いデーツ(なつめやしの実)にココナッツをまぶしたものを差し出す。探検隊もいただきました。軟らかくねっとりとしたデーツで、濃厚に甘い。でも、ココナッツの食感と香りに包まれると意外にさっぱりした味わいに。ひとつ食べ終わると、また「どうぞ」とハサンさん。「お客さんはみな、友だちだからね」という。