第100話 幸せの黄色いバター

 怪しい……。

 フライパンにムースの肉を投入したトーニャが、荷物の中を探りながら、なにやら、苦笑いしている。

「なに隠してるの?」私はトーニャの手元を覗き込んだ。

「ははは……」と、トーニャは再び笑うだけ。

「吐け!」

 私は疑わしい顔でトーニャを見た。

「もしや……、持ってくるのを忘れたわけじゃ???」
「いやいや、あるある。持ってきたよ」
「んじゃ、出して」

 私はもはや、飢えた野獣なのだ。

 早く胃に何か入れなければ、げっそりとしたミイラになってしまう。

 意を決したように、ようやく荷物の中に手を入れたトーニャは、

「今回の主食は、じゃじゃ~ん、UFOです!」と言う。

「はあ?」

 飢えた野獣は、冗談はよせ! とばかりに、眉間にしわを寄せた。

「UFOなんて、なんじゃらほい」だ。

 トーニャが勢いよく放り投げるように荷物から取り出したのは、見事にぺちゃんこになっているパンだった。

「え?」

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