第99話 人間くさい橇犬と、いざ出発!

 今日は長距離を走る日だというのに、早起きが苦手なトーニャと私は、朝の11時頃までうだうだと寝てしまった……。

 ようやく寝床から這い出してきて、出発の準備をすると、備品の1つが足りないことに気付いて、探しているうちに、午後の1時になり、これでは到着が日没後になるからと、暗闇を走る準備をすると、結局、出発は午後の2時を過ぎていた。

 けれどまあ、こんなことは、アラスカではよくあることだ。

 そもそもアラスカには、アラスカンタイムという、いわゆるテキトーな時間の概念がある。

 時間に自分を合わせていくのではなく、自分の気分や、自分の都合優先で時間を流していくのだ。

 だから、時間に追われて焦るということが、まったくない。

 アラスカというのは、そんな生き方ができる場所でもある。

 今回、私が連れて行くことにした犬たちは、ほとんどがいつものメンバー。

 黒熊ルーディ&シゲオコンビ。黒斑双子のパンダ&フラックル。

 新顔なのが、大きな体で毛がフサフサ、マラミュート犬の血が入っているレニー・ルーと、紀州犬のように真っ白な毛並みのリトルマンである。

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