農業で結ばれるアフリカと中国:新たな穀倉地帯は誕生するか

 たしかにアグリビジネスは、一つの解決策ではある。しかし、これが持続可能で賢いやり方かどうかについては議論が分かれる。果たしてこの方法で、2050年に90億に達する世界の人々に、質の高い食物を提供することができるのか?

持続可能な技術導入がカギ

 アフリカでは昔から遺伝子組み換え作物への不信感が強く、これを栽培している土地の割合はあまり高くない。遺伝子組み換え作物が敬遠される原因の一つは、そうした種子に頼ると外国への依存度が高まり、アフリカの統治権が脅かされるのではないか、ということにある。農家、とりわけ小規模農家がこうした恐れを抱いている。

 しかし中国が巨額の投資を行ったなら、アフリカの多くの国々で遺伝子組み換え作物が増えていく公算が高い。またこの計画では、遺伝子組み換え作物に抵抗感が薄いであろう新たな世代を味方にすることにも重点が置かれている。「若い人々に農業は“クールだ”と理解してもらうことが重要なのです」とナイジェリア政府当局者は言う。

稲田に散らばり、長い一日の準備にとりかかるルワンダの農夫たち。(Photograph courtesy IRRI)

 スタンダードチャータード銀行の調査によると、中国が食料不足を防ぐためには、この先20~30年の間に、1億トンの食料を輸入しなければならないという。ウガンダのトレス・ブチャナヤンディ農相は、中国が輸出用作物をアフリカで生産することは一向にかまわないと語っている。

 各国の動機や解決策が何であるにせよ、アフリカは現在も、他の大陸に比べて穀物生産高が低い土地であり、援助の手を差し伸べるのは他の国々が果たすべき責務だ。植民地主義につながるのではないかという懸念はさておき、中国がこの計画を推進することで、アフリカ諸国が国民に十分な食料を供給でき、さらには大陸内外の国々のための新たな穀倉地帯となるのかどうかを選択できるのであれば、それはすばらしいことだ。

 しかし、これまで数十年にわたって農業技術を進歩させてきた国々が気づきはじめているように、技術の導入には、土地とそこに住む人々の健康を害さない持続可能な方法を選択することが欠かせない。さもなければ、“支援”は机上の空論になってしまうだろう。

(文=Mary Beth Albright/訳=北村京子)