第111回 紀元前生まれの不思議な“かき氷”

 バラとサフランの香りと味わいがアクセントとなっているこのアイスクリームは、20世紀、イランで最初のアイスクリーム店を開いたアクバル・マシティという有名なアイスクリーム職人が発明したものだそうで、彼の名前を冠しても呼ばれる。そのため、イランのアイスクリーム店はこぞって彼の後継者だといわんがばかりに店頭に「バスタニ・アクバル・マシティ」と掲げているそうだ。

 ちなみにサフランは、紀元前よりイランで生産されてきたもの。現在はなんと世界の年間生産量のうち90%以上をイラン産が占めるらしい。香料や染料、薬用として利用されてきたが、「サフランには気分を楽しくさせる作用があるんだよ」とモーセンさん。ほんとに? 半信半疑だったのだが、後で調べてみると漢方におけるサフランの効能の説明に同様の記述を発見。

 モーセンは、お母さんによく作ってもらったお菓子があるという。お米とサフラン、砂糖、シナモン、ローズウォーター、アーモンドスライスやピスタチオを合わせお粥のように煮込んだ「ジョレザード」というものだ。サフランをたっぷり使ったお母さんのジョレザードが大好きだったという彼。その穏やかな笑顔の後ろには、サフラン効果があるのかもしれません。

右は中東のお菓子の定番食材ローズウォーター。バラの花びらを水蒸気で蒸留して作る。左はこれを使ったローズウォーターのジュース。これもイランでポピュラーなもの。甘いがよい香りがする
オープンしてから8年となる「ジャーメ・ジャム」店内。ちなみにジャーメ・ジャムとはその中を見ると世界が見えるという、ペルシャの王様が持っていた黄金の杯のこと。「この店にいると色んな人が来て世界が見えるんだ」とモーセンさん

ジャーメ・ジャム
住所:東京都杉並区阿佐ヶ谷南2-20-7
電話:03-3311-3223
ホームページ:http://www.jamejam.jp/
フェイスブック:https://www.facebook.com/JameJam

メレンダ千春

海外に行けば、どこを見ずとも行くのはスーパーのおやつ売り場という、激甘から激辛まで味の守備範囲は360度のライター。最初の異国のお菓子との出会いは、アメリカに住む遠い親戚のおじさんが日本を訪れる度にお土産にくれた、キラキラ光る水色の紙でキャンディーのように包装されたチョコレート。ミルクの味が濃くて、おいしかったな~。インパクトのあるおやつを求めて、日々邁進中。