映画が描いた地球外生命探査 あのシーンは本当だった?
探査機ボイジャーのレコードを宇宙人が聞いていた?
『コンタクト』で描かれたSETIが、地球外生命体が発信したメッセージを受動的に受け取るパッシブSETIであるのに対して、私たち地球人が能動的にメッセージを発するアクティブSETI(METIとも呼ばれてる)も行われている。
まず、1972年、1973年に打ち上げられた探査機のバイキングには人類からのメッセージが刻印された金属板が取り付けられた。さらに、1977年に打ち上げられた探査機のボイジャーに様々な言語の挨拶などが収録されたゴールデン・レコードが搭載されたが、このゴールデン・レコードを取り入れた映画が存在する。
ジョン・カーペンター監督がメガホンを執った『スターマン/愛・宇宙はるかに』(1984年)は、ボイジャーのゴールデン・レコードを聞いた地球外知的生命体が地球に飛来し、ジェフ・ブリッジズ演じる地球人男性スコットの姿になって、その妻ジェニー(カレン・アレン)と交流するという物語だ。
ジェフ・ブリッジズが話せるのはレコードに収録された各国語の挨拶だけという現実に即した設定になっているものの、実際のボイジャー1号が太陽系圏から脱出したのは2013年のこと。どんなに近い恒星でも我々が属する太陽系から4光年以上離れているため、ボイジャーの速度で別の恒星系に到達するのは数万年先。地球にメッセージを送ってくるほどの高度な文明を築いた地球外生命にレコードを聞いてもらうのはもっと先になるだろう。
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