第78回 いつも妻を見守っている紳士な鳥とコスタリカの国鳥

 ベランダの下にいたのは、ジグイロ(yigüirro)と呼ばれているコスタリカの国鳥だ!
 こんなところに巣を作るなんて、日本のツバメのようだ。

2階のベランダの下の柱の上(写真中央)の巣。(写真クリックで拡大)

 こちらの巣もコケ系の植物素材でできているようなのだが、大き目の草(ツユクサの仲間)が生け花風に飾られていて、笑ってしまった。逆に目立ってしまわないのだろうか?

 この鳥の和名はバフムジツグミ。さきほどのアオボウシミドリフウキンチョウに比べればずいぶん地味だが、コスタリカのほぼ全土で比較的よく見かけられる、人々の生活空間に溶け込んでいる鳥である。国鳥に選ばれた理由は、この鳥が奏でる美しいさえずりにあるそうだ。

 毎年3月から6月にかけて、朝から夕方までこの鳥のさえずりを聴くことができる。「バフムジツグミは雨季の到来をコスタリカのみんなに知らせてくれる」のだという。

 母親(メス)がいない間に2階のベランダに上がって、板の隙間から巣を覗いてみると、孵ったばかりのヒナ1羽と卵が見えた。戻ってきた母親は、くちばしにイモムシをくわえていた。

 話によると、このバイオロジカルステーション本棟が建てられて24年間、毎年、バフムジツグミの巣を見かけているという。ヒナが巣立っていくと、別のバフムジツグミがやってきて、巣を再利用するそうだ。

 バフムジツグミについて、鳥に詳しいMarvin HidalgoさんとAiko Kenmochiから情報をいただきました。

次のページは、動画アリ<今週のピソちゃん>です。

バフムジツグミ(スズメ目:ツグミ科)
Clay-colored Robin, Turdusgrayi
北米南部から中央アメリカ、南米北部にかけて生息する。オスメスの区別はしにくい。和名のバフは、色のことで「黄色みがかった褐色」という意味。3~7月に巣を作り、卵を産むそうだ。ここモンテベルデでは、キバシミドリチュウハシとサンショクキムネオオハシという鳥が、バフムジツグミの卵とヒナを狙うそうだが、人家に巣を作ることで、捕食者から遠ざかることができているようだ。
体長:23cm 撮影地:サラピキ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

【動画】バフムジツグミのオスのさえずり(2:21)
森の中から聞こえてくる美しいさえずりをどうぞ。鳥そのものは見られません。体の色が森に同化しているので、姿を見つけるのは容易ではありません。
撮影地:モンテベルデ、コスタリカ