第78回 いつも妻を見守っている紳士な鳥とコスタリカの国鳥

「ステーションの建物の横の木に、可憐な鳥が巣を作っているよ」
 モンテベルデ・バイオロジカルステーションの従業員のおばさんが教えてくれた。

 さっそく行ってみると、目が覚めるほど鮮やかな鳥がいた。
 アオボウシミドリフウキンチョウという、コスタリカとパナマ西部だけに生息している鳥。和名の通り、青い帽子をかぶっていて、オスは、帽子の下と胸の辺りが鮮やかな黄色に彩られている。

 ぼくはコウテイペンギン以外の鳥にあまり興味を持たないのだが、この鳥には惹かれ、さっそくカメラを構え、観察を始めた。

巣作りをするオス。(写真クリックで拡大)

 巣は、幹から枝が出ているちょうど付け根に、少しぶら下がるような状態で作られていた。コケや地衣類などの着生植物を集めて編み込んだのか、周囲の木の表面に同化している。

 観察していると、この鳥は興味深い行動を取ることに気づいた。

 巣作りはオスとメスとの共同作業。つがいは一緒に巣の素材探しに出かけ、一緒に戻ってくる。そして当然、一緒に巣に入るかと思いきや、オスは手前でスルッとひるがえり、近くの枝にとまった。メスの巣作り作業を待っているようだ。オスは、メスが巣に入るまでの安全確認、ボディーガードをしているのかもしれない。

 メスは作業を終えると、オスと入れ替わって近くの枝で待つ。オスが作業を終え、また2羽が一緒になると、森のどこかへと飛び立っていく。1~2分すると、また一緒に戻って来てオスがメスを巣の入り口前までエスコートする。

 メスを見守るジェントルマン。見習わないと・・・(笑)

 観察していると、スグ横の建物のベランダの下に、ほかの鳥の巣があることに気付いた。こちらは、お椀型をしている。

次のページへつづく(コスタリカの国鳥の美しいさえずりをどうぞ!)

アオボウシミドリフウキンチョウ(スズメ目:アトリ科)のオス
Golden-browed Chlorophonia, Chlorophonia callophrys, male
巣作り中のメスを、近くの枝で待つオス。
体長:13 cm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)
アオボウシミドリフウキンチョウのオス(右)とメス(左下)。(写真クリックで拡大)
巣に舞い戻るつがいの連続写真。3枚の写真を合成した。右の2つがメスで、巣へ直行しているいっぽう、上から下りてきたオス(左の3つ)はメスが巣の中へ入るとくるりと反転して近くの枝にとまる。(写真クリックで拡大)

【動画】アオボウシミドリフウキンチョウのメスが巣作りをしているところ(0:30)