国立科学博物館の2014年夏の特別展「太古の哺乳類展」は、日本で発掘された絶滅哺乳類が一堂に会する希有な機会だ。それにしても、本当にかつての日本にはいろいろな動物がいたものだ。
化石記録があるかぎり集めてあるわけだから、たとえばゾウにしても数百万年前のミエゾウや、もっとまえのゴンフォテリウムもいて、進化の不思議に思いをいたす。
と同時に、なぜ、今、こういった動物たちがいなくなったのか、という疑問を抱く。2万年から3万年前までは、ナウマンゾウのような「超大物」の他にも、ヒョウやオオツノシカやヘラジカやバイソンなど、巨大動物相があった。北海道にはマンモスもいた。もちろん、今の日本列島にも、シカやツキノワグマやヒグマ(北海道)やキツネやタヌキやニホンザルもいるわけだが、この特別展で見るものに比べると小振りだ。かつての動物相と肩を並べられるのはせいぜいクマくらいだろうか。
では、なぜ?
どうして、かつての巨大哺乳類たちは消えてしまったのだろう。