検証:エネルギー基本計画2 「不可避の原則」への2つの懸念

 福島原発事故はこれまでの国のエネルギー政策の方針を転換させるものとなった。

 新しく策定された「エネルギー基本計画」では原則として、「東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故後に直面している課題を克服していくためには、エネルギー需給構造の改革を大胆に進めていくことが不可避」であることが述べられている。これはそもそもどのようなことなのだろうか。

 本稿では、エネルギー需給構造を改革するとは何を意味し、何がポイントとなるのかを考察する。

福島原発事故があぶりだした「エネルギー需給構造」の問題点

 ではまず、これまでの日本のエネルギー需給構造はどのようなものだったのだろうか?

 日本では戦後およそ60年間という長きにわたり、電力10社による、(1)電力系統(電力網)と小売業の地域独占、(2)発電から送電、配電、小売を垂直統合した体制、(3)火力・原子力を中心とした大規模集中型の発電、そして(4)東西を50Hz/60Hzの2つの周波数で分断する体制が築き上げられてきた。これが日本の基本的なエネルギー需給構造だった。

 いみじくもその課題を浮かび上がらせたのが福島原発事故だった。発災直後には、まず以下4つの点が課題として浮上した。

(1)電力10社がそれぞれ地域ごとに電力系統(電力ネットワーク)を独占していたため、電力を広域的に運用する体制が出来ておらず、電力が不足する場所に対して地域を跨いだ供給が十分に出来ないこと。

(2)電力10社以外から電力を調達しようとしてもその供給力が低いこと(事業者がいない)。

(3)電力供給不安時に需要を抑制する仕組みが無いこと(計画停電という事態を招いた)。

(4)需要家が電力を選択できないこと。

 そして、原発事故の影響が長引くとともに以下2つの課題が浮上してきている。