ジムとぼくを乗せた車は、ホームステッドの入り口のゲートを過ぎると、でこぼことした砂利道に出ました。

 初めてこの道を通ったとき、いったいどこまで行くのだろうと、すこし不安でした。

 見知らぬ道というのは、どうしていつも、遠く、ゆっくりと感じられるのでしょう。

 でも、すでに何回か通ったあとだったので、このときは、見覚えのある場所をいくつか通り過ぎるうちに、思いのほか早く、舗装された道路に出ました。

 そこはちょうど、イリーの町か、それとも、ジムのスタジオのある方へ行くかの分かれ道でした。

新緑が芽吹いた、春のノースウッズ。茂みの向こうから、アメリカクロクマの母親が、こちらを不思議そうに見つめていた。(写真クリックで拡大)

「食糧はまだあるか」とジムが聞くので、「たくさんはないですが、1週間ぐらいならあります」と答えました。

 すると、「近いうちにまた、イリーに連れていく機会はあるから、今日はまっすぐに目的地へ行こう」ということになりました。

 森のなかの道を、気持ちよく飛ばして進むなか、ぼくは、ホームステッドで見た、自然や動物のことについて話しました。

 いろんな花が咲いていたこと。オジロジカを遠くに見たこと。カメが産卵にきたこと。キツツキとリスがケンカしていたこと。そしてサウナに入ったことなど、話は尽きませんでした。

7月20日(日)神戸ポートピアホテルで、7月26日(土)に東京都立川市ギャラリー茶遊で、7月27日(日)に世田谷区立喜多見まちかど図書室で、大竹英洋さんの講演及びトークライブが開催されます。くわしくはこちらのページをご覧ください。

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る