3.11以前から高かった日本の発電コスト

 報告書では、日本の小売料金指標が高い要因として特に燃料費や発電設備の修繕費の高さが指摘されている。

 燃料費については、価格よりも安定調達を優先する傾向から、石油価格に連動した高い価格の天然ガスを長期契約で購入していることなど、日本の化石燃料の輸入価格が割高であることが原発事故以降、貿易赤字の増加とともに明らかにされてきているのは周知のことだろう。

 2010年時点でも日本は割高な化石燃料の輸入を行っていたわけで、それは当然コストとして電力料金に跳ね返り、燃料費要因は他国と比べて高い4.73円/kWhとなっている(図2)。

 そして、国際通貨基金(IMF)が公表しているIMF-Primary Commodity Pricesによると、2014年3月の日本の天然ガスの輸入価格は$17.92/100万BTUに対し、米国価格は$5.25/100万BTU、欧州価格は$10.81/100万BTUとなっており依然として割高な輸入を続けているのが実態だ。

図2:他国と比べて高い燃料費(画像提供:平沼光)(画像クリックで拡大)

 エネルギー基本計画では、原子力を代替するために化石燃料への依存が増大し、それによる国富の流出が問題視されているが、そうした事態を招いたのは、これまで原子力に過度に依存していたにもかかわらず、それが停止した場合のリスクを蔑ろにしたからだ。そのため、発電源の多元化や国内資源の有効活用などリスクをコントロールする体制が構築されておらず、福島原発事故が起こっても割高な化石燃料を輸入し続ける以外に打つ手が無かったことを大いに反省しなければならない。

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