検証:「エネルギー基本計画」その1 日本の電力料金はなぜ高い

地域独占と総括原価方式が修繕費を押し上げる

 また、電力会社が持つ発電設備のメンテナンス費用に相当する修繕費については、日本の2010年の修繕費は2,668円/kWで隣国の韓国の777円/kWと比べてもはかなり割高となっている(図3)。

 この要因としては日本の発送電体制が電力10社による地域独占ということから各地で設備を増やし続けた結果、過剰なコストがかかっている可能性が考えられる。また、燃料費、修繕費ともに日本の価格が割高なのは、電力料金の算定方式がかかった費用に報酬を加えて算定するという、原価低減へのインセンティブが極めて働きにくい総括原価方式であることも影響していると考えられる。

 ちなみに韓国の発送電体制は、1961年から政府主導により電力会社の統廃合が進み、韓国内の電力3社が統合され韓国電力(株)が設立。その後、より長期な需給管理、電源開発を行うため1982年に韓国電力(株)が国有化され、政府がその株式のおよそ50%を保有する韓国電力公社(KEPCO)となっている。さらにアジア通貨危機を経て構造改革を進めた結果、2000年に「KEPCO再編法」及び「改正電気事業法」が国会で可決され、KEPCOを発電、送電、配電部門に分割し、卸電力市場を創設するなど電力システム改革が進められている。韓国の燃料費、修繕費はその結果としての価格と言えるだろう。

図3:他国と比べて高い修繕費。(画像提供:平沼光)(画像クリックで拡大)

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