検証:「エネルギー基本計画」その1 日本の電力料金はなぜ高い

再生可能エネルギーは電気代が高い、は本当か?

 福島原発事故以降、原発停止による電源構成の変化による電力料金の上昇といえば、再生可能エネルギー(以下再エネ)の固定価格買取制度(FIT)による賦課金の影響に注目が集まっている。

 再エネの固定価格買取制度とは、再エネの普及を促進するため再エネにより発電された電気を、一定期間・固定価格で電力10社が買い取ることを国が義務付けるもので、電力10社が買取りに要した費用は、賦課金として消費者の電気の使用量に応じて電力料金に上乗せされる。

 2014年度、再エネの賦課金は0.75円/ kWhであり標準家庭モデルで月に225円の負担となっている。確かに、FITに基づいて導入される再エネは今後増加していくと考えられ、その賦課金は電気利用者に課せられてゆくことから、エネルギー基本計画においても電気利用者の負担上昇要因として大きく取り上げられているが、電気料金はFITの賦課金だけで構成されるものではない。

 そもそも、FIT制度が導入される契機となった震災前から日本の電気料金は他国と比較しても高いことが指摘されていた。

 経産省の平成23年度電源立地推進調整等事業「諸外国における電気料金の実態調査」報告書(以下報告書)によれば、2010年の各国の電気料金の小売料金指標を比較すると日本(東電)は12.6円/kWhとなりドイツ、アメリカ、スペイン、フランス、韓国、ノルウェー等、他国と比べて高いコスト水準にある(図1)。

 2010年といえば発電コストが安いと言われた原発が稼動していた時期になる。

図1:電力小売料金水準の各国比較。電力料金にどのような税金を含めるか、また発送電体制の違いなど、各国によって条件が異なるため、一概に小売料金を比較の対象とすることは難しい。したがって、報告書では小売料金全体から租税公課(各種税金、負担金等)と送配電料金を除いた「小売料金指標」を比較対象としている。小売料金指標に含まれる内容は、主として発電費用(燃料費、修繕費、人件費等)および販管費(検針費等)となる。(画像提供:平沼光)(画像クリックで拡大)

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