第4回 ヒマラヤ支援で大切なこと

――エドモンド・ヒラリーさんは、1960年にヒマラヤ基金を創設して、ネパールのナムチェ・バザール地区を中心としたシェルパの村への支援活動を開始します。その基金も、ほとんどはエドモンドさんが私財を投じて設立したものだそうですね。

 もともとヒラリー家は、自分が属するコミュニティーに貢献することが大事だということを、代々伝えてきた家です。基金を創設して、ヒマラヤに学校や病院を建てたりする活動も、そこからつながっているものだと思います。

――ピーターさんも、オーストラリア・ヒマラヤ基金の責任者を務め、ヒマラヤでエベレスト登山をサポートするような仕事もされていますね。1960年からこれまでの約50年間で、シェルパの村の生活環境は、どう変わりましたか。

 劇的に変化したと思います。
 父が現地に最初の学校を建てたのが1960年です。以後、教育水準は格段に上がっていき、衛生面も良くなっています。それにともない観光産業も成長していったので、ロッジやゲストハウスなど宿泊施設の経営やトレッキングガイドのサービスなど、観光と関係する産業も拡大しています。

 ナムチェ・バザールをはじめとするエベレストの南麓地域は、生活環境の改善がかなり進んでいますが、それより標高の低い地域やその周辺はまだまだで、100年前を思わせるような生活を今でも続けています。

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