第3回 野心家だった父のコンプレックス

 再現映像では、実際にエベレストで撮ったシーンが多いですし、ほかにさまざまな過去の記録映像や、1953年に一緒に登頂した人々の証言も巧みに織り込まれています。

――映画を見てびっくりしたのは、エドモンドさんを演じた主演俳優、チャド・モフィットさんが本人にとてもよく似ていたことです。

 本当にそっくり。チャドが衣装をつけた写真を見せたいからと監督に言われ、見せてもらったのですが、いやもうびっくりしました。

 ただ、ちょっと不安に思ったのは、彼のほうが本物のエドモンド・ヒラリーとして、見る人に印象づけられるのではないかと。そう心配になるくらい、彼は父に似ています。そこも、この映画の見どころのひとつかもしれません。

――映画のなかでピーターさんは「父は完璧主義で複雑な側面を持った人物だ」と語っていますね。

 父は野心家でした。
 そういう人の常で、精神面には複雑なところがありました。

エドモンド・ヒラリーを演じたのはニュージーランド人の俳優、チャド・モフィット。『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』(C)2013 GFC(EVEREST)LTD.ALL RIGHTS RESERVED (写真クリックで拡大)