第77回 我が家にアリの軍隊が襲来した

 モンテベルデの我が家には、たくさんのオオアリが住んでいる。体長8ミリほどの大型のアリだが、人を咬んだり刺したりしないので、互いに干渉し合うこともなく、ひとつ屋根の下で共生している。

柱の隙間にも。(写真クリックで拡大)

 よく見かけるのはダンボールの中やコンロの下、壁の間や天井裏といった比較的温かい隙間。ポータブルMDプレーヤーの中や、外付けハードディスクの中を住処(巣)にしていることもある(汗)。

 オオアリは夜行性。夜の7時を過ぎたころからちらほらと壁伝いに姿を見せ始め、小さな昆虫を捕食する。甘いお菓子などには一切興味を示さない。家の中に迷い込んだ昆虫たちの死骸なども夜の間にきれいさっぱり巣へと持ち帰ってくれる。ゴキブリなんかも家の中からいなくなるので、とても重宝している。

 ところが事件が起きた。

 野外調査から4日ぶりにモンテベルデの我が家へ戻った日のこと。玄関のドアを開けようとすると、なにやら森のほうからザワザワと、ゴキブリやバッタ、コオロギにキリギリスが家の周りへとやってくる。

 何ごと?

 足元を見ると、靴を上ってくるたくさんのアリが!
 グンタイアリの襲来だ!

アルビコクシィスオオアリ(ハチ目:アリ科:ヤマアリ亜科)
Carpenter ants, Camponotus albicoxis
ノートパソコンの下の巣。中央の黒い大きいのが女王。半透明で薄い色のがハタラキアリ(体長7~8 mm)。カプセル状の白いのは、幼虫とサナギ。細身の翅が付いているのはオス(7 mm)で、バニラアーモンドのニオイがする。ハタラキアリや女王は、蟻酸の強烈な酸っぱいニオイがする。右の写真は、サナギの繭をくわえた若い女王アリ(10 mm)。(写真クリックで拡大)
パルビスピナム バーチェルグンタイアリ(ハチ目:アリ科:グンタイアリ亜科)
Army ants, Eciton burchellii parvispinum
左は兵隊(体長12 mm)。靴ひもを咬み、お尻の針で刺している。右は壁伝いに狩りをしている小型ハタラキアリ(黒、6~7 mm)と大型ハタラキアリ(赤茶色の頭と背中、8 mm)。
撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)