もし知的生命が見つかったらどうする?

 さて、いろいろなSETIを紹介してきましたが、皆さんが最も興味をお持ちなのは「それで知的生命は見つかったのか」ということだと思います。
 SETIが始まって50年になるわけですが、今のところ、確実な証拠はまだありません。もしかしたら、という怪しい電波は見つかっていますけれど。

でも、もし見つかったらどうするのか、我々、SETI関係者はどうしたらいいか、をあらかじめ考えておかなければなりません。

 実は1990年代に、宇宙開発の国際的な組織が、知的生命が見つかったらどうするかというマニュアルをつくっています。このマニュアルだけで1時間くらい話せるのですが、今日はその核心の部分だけお話しします。全部で9条あるうち、ポイントはこの4つになります。

 1つは、怪しい電波が見つかった段階で、間違いがないか徹底的に検証しなさいということです。もし本当に知的生命が見つかったら大変なことですから、徹底検証せよと。

 2つめは、確定するまでは公表してはいけないということ。「ニュートリノが光よりも速い」という発表が実は誤りだったというような失敗例もありますので、怪しい段階ではしゃべってはいけない。こういうことになっています。

 その次は、逆なんですね。もし本当に確定したら、隠してはいけない。地球外に文明があるということは、我々にとって永遠の謎が解けたことを意味します。地球人全体の共有知的財産ですので、それは隠してはいけない、ということです。

 4つめは、勝手に送信するな、返信するなということ。メッセージに返事を出すのか、無視するのかを国際会議で決めなさい。何らかの方針が決まるまで勝手に返信するなということになっています。

 これは1990年代にできたマニュアルですが、現在はインターネットの時代ですので、やや時代遅れになっています。隠すなと言っても、守れるのかどうか、いろいろ問題が出てくるわけです。
 前々から改定したほうがいいという議論がありまして、2013年の秋に北京で開催された宇宙開発の国際会議で改定案を紹介してきました。インターネット時代に見合ったガイドラインができるかもしれません。

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