第9回 鳴沢真也 正しい宇宙人の探し方~SETIの話(前編)

どうやって探すか

 では、宇宙にいる知的生命、つまり宇宙人をどうやって探すかという話です。

 これは1959年に『ネイチャー』という有名な科学誌に1本の論文が掲載されたのが始まりです。アメリカの2人の物理学者コッコーニとモリソンが、どうやったら地球外生命を見つけられるか、という論文を書きました。それに沿って、解説しましょう。

 宇宙人探しといって、最初にピンと思いつくのは、実際に行くことでしょう。生命がいそうな惑星に、実際に行ってみたら早いですよね。しかし、これは簡単ではありません。

 我々人類が、これまでに唯一行ったことのある星が、月です。私が幼少の頃に、アポロ宇宙船が月に行きました。月は、天文学的にいうと“すぐそこ”にある星です。では“すぐそこ”の月に行くのに、一体どのくらいのお金がかかったかというと、当時の日本の国家予算1年分に相当するのです。

 一方で、地球外知的生命が存在するかもしれない惑星は、地球から何百光年、何千光年というはるか遠くにあるので、我々が行くというのはお金の面でも、技術的にも今のところは難しい。直接に接触するのはまず考えないほうがいいだろうということです。

 では今回のテーマ「正しく宇宙人を探す」には、どうすればよいか。これはもう間接的な証拠を見つけるしかない。間接的な証拠として使うのは、なるべく速く、遠くまで飛んでいくもので、お金があまりかからずにすむものがいいわけです。

 そこで電波です。電波は光と同じ速さ、1秒間に30万キロメートル進みます。しかも比較的安く発信できる。今はもう、小学生のうちの娘でも携帯電話で簡単に電波を出していますしね。あとは遠くまで届くのかですが、これから説明しますが、届きます。