カンダハルの地下室で武器や爆発物を探す、ジェイソン・カートライト陸軍二等軍曹とラブラドール・レトリバーのアイザック。犬は目標物のにおいを感知すると、ほえたりせずに、座るか伏せをするよう訓練される。写真=Adam Ferguson
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 優れた嗅覚を活かして警察犬や麻薬探知犬などで活躍するイヌ。本誌でも紹介した通り、人間と比較して10万倍もの鋭い嗅覚をもっていることから、人間が感じることのできないかすかな匂いから、犯罪の痕跡や違法に持ち込まれた麻薬を見つけ出すことができる。

 しかし、イヌの優れた感覚は何も嗅覚に限った話ではない。嗅覚だけではないイヌの優れた感覚をご紹介しよう。

超音波も聞くことができる聴覚

 人間が感じることができるのは16~20000Hzの音に限られるが、イヌの可聴域は65~50000Hzであり、人間にとって超音波とされる音も聞くことができる。犬笛を使えば周囲にいる人にはうるさく感じさせることなくイヌに指示を与えられるのは、人間には聞こえない犬笛が発する約30000Hzの音をイヌが感じられるからだ。

 可聴域の広さだけでもイヌの聴覚は人間よりも優れていると言えるが、音の発する方向を聞き分ける能力でも、イヌの聴覚は優れていることが明らかになっている。人間でも左右の耳に音が届くわずかな差を感じて、音が発する方向を察知することが可能だ。そこで、様々な方向から音を聞かせて区別できるかどうかを調べる実験を行ったところ、人間は16方向まで区別できることが確かめられたが、イヌの場合、32方向まで区別できたというではないか。

 さらにメトロノームを用いて音の間隔の差を感じられるかどうかを調べたところ、1分間に100回、音を発していたのを96回に減らしたり、133回を144回に増やすようなわずかな違いもイヌはしっかり判別できた。

 こうした実験から可聴域の広さだけでなく、イヌがいかに音に敏感かがわかるだろう。

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