ヘミカルディアクス・サウンデルスィ(カメムシ目:ツノゼミ科:Smiliinae)のメス
A treehopper, Hemicardiacus saundersi, female
正面からみると金平糖のようだ。夜、光にやってきた。
体長:約6 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

 日本は梅雨まっただ中とのこと、雨雨雨だそうだが、ここコスタリカのモンテベルデにも雨の季節がやってきた。おとといから雷がゴロゴロ、午後から夜にかけては雨が降るようになった。湿度はグンっと上がり、空気が少し重い。

 この時期は出没する昆虫が増え、ぼくが観察や採集、飼育に追われるようになることは前回お伝えした通り。同時にそれは、採集した昆虫について調べる時間が増えることも意味している。

 たとえば、連載で昆虫を紹介するとき、ぼくはなるべくその種の名前(学名)を載せることを心がけている。もちろん、見ればすぐに名前がわかるものもあるけれど、図鑑やネットでは調べきれないものがほとんどだ。まだ名前のない新種ということも、ごく普通のこと。
 そんなときぼくは、世界のあちこちにいるそれぞれの昆虫の専門家に教えてもらうことにしている。

 ここ1カ月ほど、ツノゼミ研究者たちとのやりとりが熱かった。
 発端は、もう40年以上もツノゼミの体系学を研究されているアメリカ、ノースカロライナ州立大学のデイツ博士に、最近採ったツノゼミの写真を送ったことだった。

 多様な熱帯のツノゼミを写真だけで同定することは困難なので、デイツ博士は、他のツノゼミの分類学者4人にぼくのメールを転送した。そして、あーでもない、こーでもないと、みんなのやりとりが始まった。

「おお~なんと美しい!スミリア属のツノゼミに見える」
「すげえ!たしかにスミリアだろうな」
「いや、アンティアンセじゃないのか」とそれぞれの意見が飛び交う。

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