――とくに原発事故により、警戒区域に指定されたエリアでは報道規制が敷かれ、それがメディアの間で問題になりましたね。

 私は何度かドイツ人記者のコルドラ・マイヤーと警戒区域に入りました。彼女は「報道規制? そんなのを気にしていたら取材なんて何もできないでしょう」と言っていました。

 その後、私はAP通信のチーフフォトグラファー、デビッド・グッテンフェルダーのアシスタントとして一緒に警戒区域に入ったのですが、そのときに彼が撮った写真が世界報道写真賞に入賞しました。、外から見えない現実を記録して伝えたいという一心だったので、福島や被災者の現実が世界に伝わることに貢献できてよかったと思います。私もコルドラやデビットのように、報道規制は気にしませんでした。フリーランスだから、そう言えるのかもしれませんが。

――福島とは今後もかかわっていくつもりですか。

 撮り続けていきたいですね。被災者、避難者の内面的なストーリーを追っていきたいと思っています。写真では難しいところもあるのですが。

――ほかに、これから取り組んでいきたいことはありますか。

 間もなく始まる国際的なプロジェクトにも参加する予定です。シリアから国外に避難した子どもたちにカメラを貸して、写真を教えながら、彼らのポートレートを撮るというもので、これは楽しみにしている企画です。

東日本大震災後の避難所で生活する人々(撮影:林典子)

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